10年間

 前回の書き込みから10年。「外科医の育つまで」なんて記憶に残っている人はほぼいないだろう。

 10年前の書き込みは市中病院で呼吸器外科のトップとなったことの報告だった。外科医として育つことを目標にやってきて、一つの目標であった診療科責任者になったのだった。

 診療科責任者として呼吸器外科の診療に打ち込んだ。手術もそうだし、それ以外の救急疾患などについてもそれまでの経験をもとに診療してきた。それと同時に、市中病院にいたが論文を書いた。「外科医の育つまで」で「これからは日記なんて書いてないで論文を書く」と宣言したのだが、それなりに論文は書いた。専門医や指導医の資格も取って行った。

 数年間、そういう生活を続けていたところに、母校ではない大学から誘いがあった。診療・研究だけでなく、教育もやりたいと思っていたのもあって、大学病院に移った。引き続き診療・研究をやるとともに、医学生教育や研修医教育も行うようになった。また、学会での仕事も増えてきた。

 市中病院の呼吸器外科のトップとなった日からちょうど10年の今日、大学病院で教授となった。ますます教育活動が重要となってくるであろう。「外科医の育つまで」なんて言っていないで、育てる方に力を注がないといけなくなった。育てるのも外科医だけではなく医師全体になった。

 「外科医の育つまで」はこれで完結でいいのかな。でも仕事はまだまだ続く。